港第16団が活動拠点とする白金台の近くには「特別養護老人ホーム 白金の森」があります。ベンチャースカウトはこの半年間、月に1〜2回の頻度でデイサービスに通って継続した奉仕を実施してきました。
春には先方との顔合わせをして実施計画の相談をしました。「利用者の方とどんなことがしてみたい?」緊張もあるのですが、なかなか答えが出てきません。
初めての訪問時、利用者の方にどう話しかけてよいか分からず、会話のキャッチボールは続きません。認知症を患っている方の割合や、特養を利用する方々のありのままの事実を知ることで驚くことが多くあったようです。
折り紙で鶴を一緒に折ってみるという課題では、手先がうまく動かないことやほんの少し前には覚えていた折り方を忘れてしまっていることに気づくことがありました。相手が恥をかかないようにであったり、孤独に感じないように配慮することであったりすることが必要だと教えてもらいました
相手を知る、大人用おむつがどんなものかを実際に触ってみたり、利用者の方がこれまでどんな人生を歩んできたのかインタビューをしてみたり。直近のことはなかなか思い出せない方でも、戦時中のことなど過去の大きな出来事ほど鮮明に覚えていたりしました。いつも奉仕の終わりにふりかえりの時間をとってもらいました。
人生の終わりを迎えるときに何を大切にしたいか考える機会もありました。「親友が近くにいてくれる」「大切な人とお別れをする」「ユーモアを持ち続ける」「痛みがない」その他いくつもの選択肢が書かれたカードを交換しながら大切にする価値観を残し、選択する「もしバナゲーム」。悩みながら人それぞれ価値観は違うということを感じます。
相手を理解できるよう努力をすること、自分にとって「あなたが大切な存在です」という気持ちを持って接することで利用者の方と少しずつコミュニケーションがとれるようになっていくことを実感していったと話してくれました。
奉仕最終日、ハンドマッサージをしながらお年寄りと会話をしているスカウトたちは以前より優しげな表情でした。身近な人もいつか年を重ねて誰かの助けを必要するかもしれません。多忙な高校生、貴重な時間を割いて得たこの経験がきっと人生の役に立つことでしょう。
スカウトのために、業務時間に対応・ご指導いただいたスタッフの皆さま、休日にも関わらずこちらの奉仕日に合わせて講義に駆けつけてくださったこともありました。半年間、本当にお世話になりました。感謝ばかりです。
奉仕最終日、スカウト2名は隼スカウトに進級しました。社会の一員として、リーダーシップを一層高め、社会貢献できる富士スカウトを目指してくれることと思います。
今後のさらなる飛躍を期待し、成長した姿を関わった多くの方に見てもらえるよう努力を続けていって欲しいと思います。
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